子供のなりたい職業の中でも、飼育員さんっていつもランキング上位にいますよね。
子供にとって動物園や水族館は馴染み深い場所な上、近年の動物ブームの影響でますます飼育員さん人気に拍車がかかっているようです(ウチの息子もそのひとり笑)
せっかくなりたいものがあるなら家族としては応援しない理由などありませぬ。
って事で気づけば色んな飼育員情報を見聞きしたお陰で、いつの間にかそこそこ詳しくなっていたんです( ´ᆺ`)笑
ですので、今回は私が見聞きした飼育員情報をひとまとめにしてお届けしたいと思います!
飼育員さんを目指しているお子さんやお家の方の参考になれば嬉しいです(..◜ᴗ◝..)
飼育員さんは、「公営」か「民営」かで待遇が大きく違う(ことが多い)
公営の施設の場合は公務員さんとして雇われることが多いぶん福利厚生も整いやすいのですが、民間の施設の場合は雇い主のさじ加減一つで良くも悪くも大きく待遇が違う印象があります。
意外なパターンも!
とは言っても、公営の大型動物園でも時々アルバイトを募集していることもあるそうですよ!
以前お話を伺った飼育員さんお話だと毎年正月明けにアルバイトの求人を出すと言っていました。しかもハロワww
まずはアルバイトで実践を積んでゆくゆくは正規の飼育員に・・と思っている人にとっては願ってもないアルバイト先だと思います!(運が良ければ巡り会えるかも!まずはハロワに急げwww)
公務員の場合は転勤があるかどうかも重要
「市の動物園の飼育員(公務員)」という採用の仕方か、それとも「市の公務員」としての採用のされ方でも大きく変わります。
例えば北海道札幌市の場合だと、以前は「公務員」という大きなくくりだったそうで、もともと知識がない中飼育員さんとして配属された方が努力を重ね10年近く実績を積んだ後全く動物とは無縁の部署に転勤・・というケースも実際あったようです( 参考ホッキョクグマの赤ちゃんを育てる! 円山動物園のねがい (ポプラ社ノンフィクション) )
ただ、現在は最初から「動物専門員」という採用をしているので、専門知識の高い人を採用してずっと飼育員として業務を全うできるという理想の形になっているそう。
採用の仕方は自治体によって様々なので、公務員さんとして飼育員を目指している場合は、飼育専門としての採用か(転勤があるのかどうか)は早めにチェックしておきたい部分ですね!
飼育員さんになるためにはどんな資格が必要か??
一般的によく見かけるのは、動物に関わる学科(大学・高専・専門学校)を卒業した35歳未満という印象です。
ただ、この条件も施設によって相当違う印象があります。
例えばですが、アルバイトの場合だったら学歴はそこまで厳密でなかったりとか、在学生を受け入れてたりとか。
ただ正社員の場合は、学歴(or実戦経験) はほぼ間違いなく必要とされる印象がありました。
その上で、施設によって求めている人柄や知識、経験、資格に差がある印象です(学芸員もよく耳にします)
その他にも園によって様々な必要資格&経験があるようですが、今まで見た求人情報を参考までに一例を挙げると・・・
- 必要資格&経験① 動物に触れた経験
- 例) 実務経験○年以上 + 実際に家で半年以上ペットを飼っていた
ペットを飼った経験を必須としていたのは、特に一つの種の生物に特化した施設に多い印象で、「(爬虫類)○○を」とか「(海の生物)○○を」というように、ある程度の種類の指定が入ることが多い印象でした。
- 必要資格&経験② 運転スキル
- 例) マニュアル車のみ、悪路運転への慣れ、オフロードOK
僻地での野生生物保護や観察がメインの施設はこんな条件がありました(笑)個人的には凄くやりがいがありそうで憧れましたw
- 必要資格&経験③ パソコンスキル
- 例) エクセル入力、パワーポイントの操作への慣れ
事務作業も含めた飼育業務と察することができますね。パワーポイント必須ということはpopの多い施設なのかもしれません。
必須資格に書かれていない場合でも動物園はいたるところにpopが貼られている印象があるので、多少なりともデザインセンスがあると助かるかも
(字の練習をしておきましょう!後は日頃からpopをよく見ておくこと!笑)
世話をしたい動物の種類や、やりたいことによっても変わる!
陸の動物がメインの動物園と、海の動物がメインの水族館では求められるスキルは違います。
そして最もしたいことは動物の保全なのか、それともお客さんを楽しませることなのか、そんな部分でも必要なスキルは変わってきます。
動物園でも必要とされ始めてる潜水士の資格
北海道札幌市の円山動物園がしろくま舎を大幅リニューアルした際に巨大な水槽トンネルが作られたのですが、しろくま担当スタッフさんは潜水士の資格を持っておらず「このままではしろくまの水槽を掃除できない!」と大慌てで潜水士の資格を取りに行ったそうです。
潜水士といったら、スキューバダイビング的な試験かと思いがちですが、実際は筆記試験のみ。
とは言っても、せっかく資格を取っても泳ぐことができないと資格を活かすことができないので、実技試験がないとはいっても泳げなくていい訳ではありません(汗)
このように動物の動きをリアルにお客さんに見てもらうために流行り始めているのが「行動展示」という展示の仕方です!(旭山動物園が有名)
しかも水族館プロデューサーの中村元さんの話だと、水があると魅力が増す!ということで、水中トンネルの活用など、水族館に限らず水を活用した施設はどんどん増えていくかもしれません。(動物の数が増えにくい傾向があるため余計に)
泳ぐ練習&潜水士の資格は、可能性を広げてくれるかもしれませんね!
希少種の保護や繁殖がしたいならとりあえず英語はやっとけw
いつ絶滅するかもわからないような希少種を真剣に保護して繁殖させることに命をかけてる飼育員さんもいます。
そんな人にとって必要なのは海外で生まれたばかりの論文かもしれません。目の前の希少種は日本語に翻訳されるのを待ってる間に死んでしまうかもしれない。
命の重みと真剣に向き合うなら絶対的に必要になるのが知識です。
そして最善を知りたくなった時は、その場に行くことも考えられます。
現地の動物園を練り歩き現地のスタッフからリアルな話を聞く。ひょっとしたら学会に参加する機会だってあるかもしれません。
勉強しても勉強しても足りない。そこまでの境地に至ることができた時、
英語=「もっと知りたい」を叶えてくれる最強のツールです!
・・・どうせ目指すなら、その境地を目標にしてほしいものですねw(遠い目)
どうしようもないけど、園の方針によっても変わる
そもそも民間運営と公共運営で大きく違うとは思うのですが、その施設の一番の目的がなんなのか、
例えば
- 「種の保全」
- 「興味をそそる展示」
- 「利益重視」
このどれなのかでも、求められる人間像や待遇は大きく違うと思います。
もしも憧れの施設が既にある場合は、その施設が最も力を入れている部分がなんなのかを分析してみると、今の自分に必要な知識や経験が見えてくるかもしれませんね(´◡`)
※飼育員さんは倍率が高い職業なので、一つ一つのリサーチが後々のために重要になってくると思います。
飼育員さんが求めている人物像は・・
ウチがお話を伺った飼育員さんの印象を見ていると、学歴や一般的な広い知識を持った人よりも、何か一種に深い愛情をもち特化した知識がある人を求めていて、そんな後輩を真剣に育てたい、と思っているのが伝わってきました。
「希望の動物の担当が出来なかった」という話もかなり耳にするのですが、一方圧倒的な知識&経験を持っている人をわざわざ外す理由なんて何もなく、理にも適っていると思います。
※もし「動物園で働きたい!」と思っているにしても、具体的に「動物に寄り添いたい」とか「希少種の繁殖をしたい」、「動物の魅力がより伝わる展示にしたい」、「もっとお客さんを増やしたい」などなど、動物園で何をしたいかが決まっていると自分が学ぶ道も明確になるし、そんな人は外から見ても魅力的。つまり面接官から見ても魅力的な人材に映る可能性が高いはずです!笑(ちなみに中村元さんはまさかの経済学部卒!)
飼育員。グレーゾーンの大きさは覚悟が必要
先ほどお伝えしたように、務める施設の方針によって求められる人物像が大きく異なる世界と思われます。
しかもそこには動物の命が関わっています。
動物が好きだからこそ、辛くてたまらないものを見る場面だって沢山あると思います。
- その施設では年間に何頭の動物が死んでいるのか
- 頭数や原因は一般に公開されているのか
- 弔われ方は
- 原因はきちんと改善されているのか
- 新しい動物はどんな経緯をたどってきたのか、金額は
などなどなど。
しかも自分の判断ミスで世界的な希少種を死に追いやる可能性もある訳です。
その時動物のことを考えられるか、動物の死を悲しみ、そして次へ活かす思考に切り替えることができるか。
同僚や上司、市民や自治体からの冷たい目線ばかりに目がいく自分になってないか・・・
などなど、様々な重みに耐えられない人だって少なくはないと思います。
それでも続けられるかどうか。
結局は、「それでも動物が好きだから続けたい」と思うことが出来るかどうかにかかっている気がしますね。
資格の話にしたって、もし仮に先ほどお伝えしたスキルを全部持っていたら、正直もっと割のいい職業は沢山あると思います(笑)
それでも飼育員がいい!と思う気持ちがあるかどうか。飼育員になれるんだったら日本中(世界中)何処へだって行ってやる!という熱い気持ちがあるかどうか、と思います。
飼育員さんの初任給は
あくまで施設によって様々なのですが、とある公営の動物園の初任給(手当含む)を例に挙げると、
- 大学卒
- 183,855円
- 短大卒
- 165,212円
- 高校卒(2年間実務経験ありで応募OK)
- 160,371円
※専門学校は高卒+α
このように書かれていました。
あまり高くはないかもしれないけど、それ以上にやりがいを感じることが出来れば金額の問題ではないのかもしれませんね。
ちなみに役職につくとお給料は上がりますが、直接的な動物の世話ができなくなるので役職を拒む人も多いそうです。
一方どちみち誰かがやらなきゃ組織がまわらないのも事実。本人が何を優先するかですね。
※ちなみに飼育員さんの格好はしてても実際に動物には触れる機会がない広報スタッフさんも意外と多いそうです(でもちゃんと公務員!)
小学生のうちは体験イベントが多いからぜひ活用を!
特に動物園や水族館は夏休みや冬休みになると、飼育員体験イベントを開催してくれる施設が多いです。
季節的にも一番多いのは夏休みで、募集時期は1~2ヶ月前な場合が多いので5月くらいからが狙い目です!
ぜひお近くの施設ホームページをくまなくチェックしてみて下さい!
体験型のイベントは学校のチラシなどでももらってくる機会が多いのですが、特に無料のものだと皆が応募するので当選率がかなり低いです笑(ウチも毎回ハズレでしたww)
逆に施設のホームページや、自治体が発行している広報誌のみに書かれているイベントだと、チェックしている人がかなり減るので一気に当選しやすくなります!笑
あと!意外と穴場が大学主催のイベントです
市民大学講座とかは小学生でも参加できるものが多く、受講料も安めなので一度チェックしてほしいです!(参加することでお子さんの適性に気づくこともある!笑)
それと個人的にむちゃくちゃオススメなのが科研費で行われているひらめき⭐︎ときめきサイエンスです!
大学の教授から直接体験授業を受けられる上に参加費が格安だったり無料(昼食付き)だったり、活用しない手はない専門的なプログラムが沢山あります!
もしもお近くで興味のあるイベントが開催されるなら、参加して損はないと思います!
(うちは良さげなイベントに気づいたタイミングが遅くて一度も参加できずむちゃくちゃ悔しかったっっ!!!)
飼育員さんになるには。最後に
飼育員さんに限らずですが結局必要なのは、圧倒的な知識や経験だったり、観察眼、改善方法を見出すアイデア力なのかな、と思います。
そして、その一つ一つにむちゃくちゃパワーが必要です。
天才だからパッと浮かぶ、という人はごく稀で、いろんなものを見て経験して学んで必死に考えるからこそ見いだせるアイデア、という場合が多い気がします。
つまりそれって、正解がないものへの挑戦だったりするので、最後は失敗を恐れない心や失敗してもリカバリーできる芯の強さとか、結局は自分との戦いに勝てるかどうかです。
そして、それを支えてくれるのが「好き」という気持ちです。
だって好きじゃなかったら、そこまで出来ないじゃないですか!(むしろもっと楽で待遇のいい仕事に転職する笑)
好きなものがどれくらい好きかを確かめる一番の方法は、好きなものをより深く知ることだと思います。
本当に好きならもっと知りたくなるけど、実はそこまで好きじゃなかったら、あんまり頑張れないと思うんです。
するとそこで自分に気づくことができます。
自分の「好き」に気づくでも「実はそこまで好きじゃなかった」に気づくでも、それは未来へ進む大きな一歩。
好きならそのまま突き進めばいいし、好きじゃなかったら軌道修正。他のものにも目を向けるチャンスです。
だからまずは何よりも、いろんなものに見て触れる。そして自分に気づくという最高の副産物をGETしてほしい。
それが大きな大きな希望の一歩となるはずです。
飼育員になるには
- グレーゾーンは覚悟しておけ!
- 自分が飼育員になって何をしたいか出来るだけ具体的に妄想しておけ
- それを叶えるために今の自分に必要なものを書き出し、まずは実行!
ってことで、バカ親代表でした(笑)